ども、アンディです。
今回の映画記事は「LION ライオンー25年目のただいま」です。
実話を元にした映画でして、サルー・ブライアリーという5歳で迷子になってしまった少年が25年の時を経て故郷にいる家族と再会するという壮大な感動物語。
サルー・ブライアリー著書の体験記が原作。
2017年公開のオーストラリア洋画で監督はガース・デイヴィス。
主演(キャスト)はデブ・パテル、サニー・パワール、ニコール・キッドマン、デビッド・ウェンハム他。
アカデミー賞6部門ノミネート作品です。
では、あらすじネタバレ感想レビューを。
ちなみに前回の映画記事はこちら
【映画 ロストバケーション】あらすじネタバレ感想レビュー!究極のサメパニックムービー!
あらすじネタバレ
迷子になってしまったサルー
インドにあるカンドワという町で暮らす少年サルー(サニー・パワール)は父親がおらず貧しい家庭を支える為に兄のグドゥに頼み込んでまだ5歳ながら仕事を探しに行く。
途中屋台にある揚げ菓子をグドゥにねだるサルーだったが、グドゥはそのうち腹一杯食べさせてやると言った。
駅で兄が仕事を探しに行っている間にグドゥに「絶対にここにいろ」と言われベンチで眠ってしまったサルーは目覚めた時に兄の姿がなく、周りを見渡しても兄が見当たらなかった。
そして停車していた回送電車に乗って兄を探したが見つからずにそのまま電車内のシートで眠ってしまうサルー。
次に気が付いた時には電車は発車しており、回送電車なので駅に停車する事もなくどんどん走っていく電車。
叫んでもドンドン列車は走り続けた。
数日間も走り続けた。
そして着いた場所はカンドワから1600kmも離れた大都市のカルカッタだった。
完全に迷子のサルーは駅の構内でストリートチルドレンの真似をして駅構内で段ボールを敷いて眠ったが人さらいの大人がやってきてかろうじて逃げだしたのであった。
孤児院へ
ゴミあさりをしたり何とか生き延びているサルーは、優しい目をしたヌーラという女性に声を掛けられ、一晩泊まらせてもらったが彼女は人身売買を行っており、ラーマという男に会ったが直感的に危機を感じたサルーはヌーラの家から逃げ出した。
そこで拾ったスプーンでカフェで食べる人の真似をしていると気付いた親切な青年がサルーを警察に連れて行ったが、カルカッタは公用語がベンガル語でサルーはヒンドゥー語しか解らなかったので会話が通じず「ガネストレイに帰りたい」と言うサルー。
”ガネストレイ”という町は実際になく、孤児院へ行く事となった。
孤児院は劣悪な環境で刑務所さながらの施設であった。
サルーは新聞で迷子の記事を掲載してもらったものの、母親を捜し出す事は叶わなかった。
しかし、運よくボランティアの女性がサルーをオーストラリアの夫婦の元へ養子に出す計画を立てた。
施設で基本的な英語の単語を覚えていくサルー。
話はトントン拍子に進んでサルーはオーストラリアのタスマニアで暮らしているジョン(デビッド・ウェンハム)とスー(ニコール・キッドマン)の夫妻に引き取られる事となった。
養子~青年となったサルー
ジョンとスーの息子となったサルーは愛情たっぷりに育てられた。
数年後に養子としてブライアリー家にやってきたマントッシュは精神が不安定であったがサルーの弟として迎えられた。
サルーはマントッシュを実の弟のように可愛がった。
そして20年後、立派に成長したサルー(デブ・パテル)はメルボルンにあるホテル経営を学ぶための大学に合格した。
弟のマントッシュは相変わらずで家から出て親とは別で暮らしていた。
マントッシュは精神を病んでいて両親と会うとトラブルになってしまうがそれでも両親は我慢強くマントッシュに愛情を注ぐ。
サルーは大学ではルーシーという女性と親しくなり、付き合うようになった。
そこで、インドからきた留学生との交流が進むにつれてサルーは自分のルーツを探るようになって行く。
さらに、インド人留学生が開いたパーティーであの幼少の頃に兄にねだった揚げ菓子があり、サルーは「僕は迷子だ」とサルーの中で封印されていた幼少期の記憶が蘇っていった。
インド人留学生に相談したところ、「Google Earth(グーグルアース)」を使って調べてみたらどうかと勧められ、故郷を探し始める事に。
駅の近くに給水塔があり、当時の電車の速度から範囲を絞って故郷の町捜しに没頭し始めたサルー。
父親のジョンが家を訪ねても玄関にすら出なかったのであった。
恋人のルーシーすら疎ましくなって距離を置いてしまう。
久々にルーシーに偶然会ったサルーはルーシーの説得によってスーに本当の両親を捜している事を伝えた。
スーはサルーの気持ちを受け入れ「世界中には人ががたくさんいる。子供を産んで世界がよくなるのか?恵まれない子供を救うほうが意義がある」と言った。
結末 ラスト
故郷のマップを貼って目星を付けている時に、ふとした場所が幼い頃に兄と行っていた鉱山に似ている事に気が付いたサルー。
周りをグーグルマップで捜索すると、駅の近くに給水塔がありその駅の名前は「ガネッシュ・タライ」という駅であり、幼い頃のサルーが「ガネストレイ」と言っていた場所であり、遂に故郷を発見したのであった。
そして遂に故郷に戻ったサルーは幼い頃の記憶を頼って遂に実家を発見する。
しかしその家はすでにヤギの家畜小屋になっていた。
そんな、せっかく発見したのに。。。
絶望に打ちひしがれるサルーは近くを通りかかった男性の男に尋ねる。
するとその男性がある場所へとサルーを連れて行った。
そこには歳はとっていたものの、母親のカムラと妹のシェキラがいたのであった。
お互いに見た瞬間に解り、泣きながら抱擁するサルーと母親。
サルーが迷子になって25年後の事であった。
兄のグドゥはあのサルーと駅に行った日に電車に轢かれて死んでしまった事を母親から聞いた。
母親はいつサルーが帰ってきてもいいようにこの近くを離れようとはしなかった。
サルーの本当の名前はサルーではなく「シェルゥ」と言い、意味は「ライオン」という意味だという事も始めて知ったのだった。
後日、産みの母親カムラと育ての母親スーとサルーが会ってこの奇跡を喜んだのであった。
まとめ 感想レビュー
何と言ってもこの映画ですごいと思ったのが独特の絶妙なカメラワークだと思います。
空からインドの大自然の厳しさが伝わるカメラワークや幼い迷子になったサルーの視点からの孤独感がビシビシ伝わってくる臨場感はお見事。
オープニングで空から始まるのはグーグルアースを意識した演出なのでしょうね。
まさに息が合ったスタッフで作られているだけあり、秀逸です。
物語的な観点から感想を述べるとやはり「母の愛は強し」という事でしょう。
立派に育てたスー。
サルーが戻る事を信じてガネッシュ・トレイを離れなかった産みの親のカムラ。
母の愛がこの奇跡を呼んだと言っても過言ではないでしょう。
グーグルアースを使うといった今時の作風にも親近感が持てる映画です。
しいて言えば映画が淡々と進んでいくのでもう少し強弱というかメリハリが欲しかった。
観た後はスッキリとした気持ちにさせてくれる。
そんな映画。おすすめ。
- ストーリー性 ★★★☆☆
- 映像 ★★★★★
- アクション ★★★☆☆
- ヒューマン ★★★★☆
- 総合点 ★★★★☆(3.5点)
★5つ(5点)が最高評価