ども、アンディです。
今回の映画は「帰ってきたヒトラー」です。
そう説明不要のあのヒトラーを題材にしたドイツ映画でして、2015年公開。
監督はダーヴィント・ヴネント。
主演(キャスト)はオリヴァー・マスッチ、ファヴィアン・ブッシュ。
原作は「彼が帰ってきた」という小説で著者はティムール・ヴェルメシュ。
小説が大ヒットしたので映画化されたこの作品。
現代に蘇ったヒトラーは現代の世の中を嘆くものの、現代の政治の問題点を見抜いて人々が彼に共感していく。
しかし、彼をバカにする人間もおり、テレビではコメディアン扱いのヒトラー。
人々は彼を本物のヒトラーだとは思っていなかった。
売れない記者とのコンビも見ていて愉快だがだんだんと物語はシリアスな展開になっていく。
果たしてヒトラーはどうなっていくのか?
ちなみに前回の映画記事はこちら↓
【映画】ボーン・アイデンティティー 自分は何者なのか?あらすじネタバレ
帰ってきたヒトラー あらすじネタバレ
現代に蘇ったヒトラー
2014年のある日、煙の中からベルリンにある空き地で突然目が覚めたヒトラー。
ボールが転がってきて、子供がボールを追ってヒトラーの下へ駆け寄った。
ヒトラーは子供達に話しかけたが子供達は変な人だと思い、ヒトラーから遠ざかって去っていった。
その様子はたまたま撮影中だったカメラに撮影されていた。
総統官邸を探しに行くヒトラーは街中の人々に尋ねるがもちろん現代の人々はそれが本物のヒトラーだとは思わずに、面白がったり、撮影したりした。
ある妊婦に話しかけたところ、催涙スプレーをかけられ、新聞屋の前で2014年と書かれた新聞を目にして倒れこんでしまったヒトラー。
新聞屋の店主に助けられたヒトラーはしばらく新聞屋の店の中に泊り込み、現代の情報収集を始める事にした。
ここで、戦争に負けたこと。ドイツが東西に分断されたこと。それから現代までの歴史を知り、愕然とするヒトラーであった。
一方、マイTVに新しい局長が誕生した。
女性のベリーニであった。
自分が局長になれると思っていたゼンゼンブリンクは苛立っており、フリー社員のザヴァツキを人員削減の為だと言い、クビにした。
ザヴァツキは特ダネを持ってマイTVに売り込まない限り、復帰ができない状態となり、ある映像を見たザヴァツキはこれはいけると思うようになる。
それは、冒頭のヒトラーにそっくりな人間が映っていたあの映像から、彼を探す事にした。
ザヴァツキとヒトラー
そして、新聞屋の店舗に住み込んでいる事を突き止めたザヴァツキ。
は彼の高圧的で威厳のある態度に感激して彼の映像を撮ることを決心し、親の車を借りて彼と色んな場所で撮影する事にした。
途中で制作費が尽きてしまったものの、ヒトラーが人物画を書いて制作費を稼いだ。
ザヴァツキとヒトラーの凸凹コンビは途中で犬の施設に寄り、話を聞いていたところ、ヒトラーが犬に手を噛まれ、持っていた拳銃で撃ってしまった。
こうして撮影しつづけ、動画をアップしたところ、瞬く間に人気が出て有名人となったヒトラーを連れてマイTVへヒトラーを売り込みに行ったところ、局長のベリーニは彼を気に入りテレビ出演させる事にした。
物真似芸人として。
と同時にザヴァツキは見事マイTVに復帰する事ができ、受付のクレマイヤーをデートに誘う事に成功。恋を実らせたのであった。
そのクレマイヤーからネットを学び、感激するヒトラー。
そしてついにテレビ番組「クラス・アルター」に出演する事となる。
ベリーニ局長を失脚させる為にあえて人種差別ネタを台本に入れた副局長のゼンゼンブリンクであったが、生放送の番組はヒトラーはカンペを無視してドイツ国家の衰退を嘆いて怒り口調で政治を批判。
これが大衆の心を掴んで大成功する。
これで人気者となったヒトラーはテレビで引っ張りだこになったが、これを面白く思っていないゼンゼンブリンクは以前ヒトラーが犬を撃った映像を入手し、ヒトラーのテレビ出演時に流すとヒトラー人気は急降下。
ベリーニ局長も解雇されてしまう。そしてゼンゼンブリンクは念願の局長となった。
ヒトラー人気が再び急上昇
ザヴァツキとヒトラーはホテルを追い出されてしまい、ザヴァツキの家に逃げ込んだ。
行き場を失ったヒトラーは本を執筆してそれをベリーニ相談するザヴァツキ。本をベリーニに手渡し、「僕が映画化させる」とザヴァツキが言った。
その本はベリーニが出版させて大好評となり、再びヒトラー人気は急上昇したのであった。
ヒトラーはフェイスブックを使って親衛隊のメンバーを募り始めた。
ある日、クレマイヤーの家を訪れたヒトラーとザヴァツキであったが、ユダヤ人であったクレマイヤーの祖母に罵倒されてしまう。
帰りの車でユダヤ人批判をするヒトラーに対し、演技ではないと思い始めた。
ヒトラーが現れた空き地の映像を見ていると、煙の中から現れるヒトラー。
彼が蘇った場所に行ってみたザヴァツキは驚愕する。そこは「総統地下壕跡」であった。
彼は本物のヒトラーなのだと確信したザヴァツキ。
ラスト結末
その頃、ヒトラーはネオナチに襲われて病院のベッドの上にいた。側にはベリーニがおり、ザヴァツキが病院に着いた時にはヒトラーの姿はなく、ベリーニだけが残っていた。
ザヴァツキはベリーニに「彼は本物のヒトラーだ」と叫ぶが、病院の関係者に精神異常者として捕らえられてしまった。
一方、映画のスタジオでは、ヒトラーがビルの屋上で撃たれて落下してしまうが、ザヴァツキが振り向くと彼の背後にヒトラーが立っており、ヒトラーは言う。
「私は人々の一部なのだ」と。
ここでカットの声がかかり、ザヴァツキだと思っていたのは精巧に造られたマスクを被った役者であった。
本物のザヴァツキは精神異常者として病院で隔離されてしまう。
その姿をみたクレマイヤーは涙を流した。
映画がヒットし、ベリーニとヒトラーは車で町中を走り出したところ、そこには手を振る民衆達がいた。
まとめ 感想レビュー
最初はヒトラーが現代においてボーリングをしたり、下手くそな絵を描いたり、インターネットをしたりとコメディな部分が多く、クスッと笑ってしまうシーンが多かったです。
前半だけ見るとまるでコメディ映画なんですよね。
しかし、映画が後半になるにつれて段々とシリアスな展開になっていき、民衆がヒトラーという人間に惹きつけられていく姿をみて、これは対岸の火事ではないなと危機感すら覚えました。
ヒトラーが映画の最後のシーンで言った言葉「私は人々の一部分だ」というのはあながち嘘ではないかもしれませんね。
現代への平和ボケした人間達に警告を鳴らす意味でも観てみるべきいい作品ではないでしょうか。
- ストーリー性 ★★★☆☆
- 映像 ★★★☆☆
- アクション ★★☆☆☆
- ヒューマン ★★★☆☆
- 総合点 ★★★☆☆(3.0点)
★5つ(5点)が最高評価